データセンターとは(役割と種類)
データセンターは、企業のサーバやネットワーク機器などを集約し、情報システムを効率的かつ安全に運用するための施設です。IT資産を一元管理することで、運用負荷の軽減や障害時の迅速な復旧を実現し、事業継続性の強化にも寄与します。利用形態には、自社機器を設置する「ハウジング」とサービス提供者の設備を活用する「ホスティング」があり、ニーズに応じた柔軟な運用が可能です。
ITトレンドでは、さまざまなタイプのデータセンター情報を取り扱っています。以下の記事では、各社サービスのスペックや料金などを比較しているので、あわせてご覧ください。
【図解】データセンターの構成(設備の全体像)
データセンターは階層ごとに役割が分かれており、上層にはサーバ室や通信設備、中層には電源・運用設備、下層には免震構造や燃料タンクが配置されています。これらが連携することで、災害時でも安定した稼働とデータの保全が可能になります。
「データセンターそのものの種類」や「クラウドとの違い」も含めて全体像から整理したい方は、以下の記事も参考にしてください(設備の見比べ・選定の前提がつかめます)。
データセンターの設備(選定のチェック項目)
データセンターの設備は以下の6つで構成されています。自社の利用目的に近い項目から確認すると、必要な設備レベルを判断しやすくなります。
ここからは、データセンターにおける設備や構成要素を順番に解説します。
- 1.災害に耐える建築構造:BCPや災害リスク(地震・水害など)を重視する場合に確認したい設備
- 2.非常時の電力供給設備:停止が許されないシステムを運用する場合に重要な設備
- 3.ラックのスペックとコストパフォーマンス:収容効率や運用コスト(電力・スペース)を重視する場合のポイント
- 4.防火・空調設備:機器トラブルや火災リスクを抑え、安定稼働を続けるための設備
- 5.万全なセキュリティ:入退室管理や監視体制など、情報資産を守るための設備
- 6.ネットワークの冗長性:回線断や障害時にも通信を維持したい場合に確認したい設備
データセンターは確認すべき設備項目が多く、自社の要件に合ったサービスを選定するのは容易ではありません。そのような方に向けて、以下の診断ページも用意しています。
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1.災害に耐える建築構造(BCP観点)
日本で考えられる大きな災害といえば地震です。どのデータセンターでも被害が最小限にとどめられるように強度の高い耐震構造で設計されています。
安全性の高い免震構造
建物と地盤の間に積層ゴムなどの装置を介入して設置し、建物自体の揺れを軽減させる構造です。これによって建物内の被害が最小限に抑えられます。
積層ゴムだけでなく、大きな減衰力を発揮するオイルダンパーや、地震の加速を抑える直動転がり支承を組み合わせているデータセンターはさらに安全性が高いといえます。
耐震構造
太く頑丈な柱や梁で建築されており、建物自体が衝撃に耐えられる構造になっています。建物自体が地震のエネルギーを吸収するため、建物が損壊するまでには至らなくても建物内の被害は地震の規模と比例するという特徴があります。サーバ室やラックのみに免震機能を設置するなど、工夫をしているデータセンターもあります。
以下の記事では、BCP対策(事業継続計画)に不可欠な災害対策やデータセンターの活用メリットについて、詳しく解説しています。設備の優先度を決める際の参考にもなります。
2.非常時の電力供給設備(停止対策)
データセンターでは災害時にも電力がストップすることなく、安定して供給される機能を備えています。
UPS(無停電電源)
電力会社からの電力供給がストップしたことをデータセンターの受電装置が検知し、UPSが電力供給を開始する設備です。電力供給時間は製品により異なりますが、通常は数分から数十分かかります。この間に自家発電設備が稼働し、電力供給の準備を行う仕組みです。
自家発電設備での電力供給時間
電力供給時間は、自家発電設備の燃料タンクの容量に依存します。燃料タンクが大きいデータセンターでは、無給油運転での連続運転は約72時間です。それ以降は燃料の補給がされなければ継続して電力供給できません。
つまり、長い電力供給を可能にする条件としては、以下のポイントが重要です。さらに、万が一の故障に備え、自家発電機は複数台以上あることが理想です。
- ●燃料タンクの大きさ
- ●燃料配送の優先契約
- ●災害時に燃料を運ぶための交通ルートが遮断されないエリア
設備要件がある程度整理できたら、候補サービスのスペックをまとめて確認すると比較が進めやすくなります。ITトレンドでは、UPSや自家発電設備を備えた多様なデータセンターを紹介しており、以下から、おすすめデータセンターの情報を一括資料請求(無料)できます。
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3.ラックのスペックとコストパフォーマンス(収容効率)
サーバを格納するラックの容量、最大搭載重量、電力供給量を大きくすることで、コスト削減が実現します。比較的新しいデータセンターでは、高性能ラックの導入により、従来は3ラックに分散していたサーバを2ラックに集約し、コストパフォーマンスの改善に成功しています。
加えて、最新の高効率電源ユニットを採用することで、電力消費量をさらに抑えつつ、機器の冷却効率も向上させられます。これにより、運用コスト削減だけでなく、環境を配慮した持続可能なデータセンター運営が実現します。
4.防火・空調設備(安定稼働)
防火や空調もサーバの安全性に配慮された設備になっています。
防火設備
火災報知器の数十倍の感度で火災を検知する「火災予兆システム」という機能も導入されています。また消火設備には、ガス消火設備や水消火設備、エアロゾル消火設備など複数の種類があります。なかでも、窒素ガスや二酸化炭素などの不活性ガスを充満させて酸素を遮断し、燃焼を停止させるガス消火設備が、サーバへの影響も少なくデータセンターで広く採用されています。
空調設備
水冷式空調は、効率よく高い冷房能力を発揮します。外気冷房システムは省エネ効果があるでしょう。また災害時に備えて無停止空調システムが導入されているデータセンターもあります。現在ではPUE(消費電気効率指標)をよくするために、さまざまな空調方式も出てきています。
導入にお悩みで、ひとまず最新の人気データセンターから検討してみたい、という方はこちらのランキングも参考にしてください。
5.万全なセキュリティ設備(入退室)
有人受付やセキュリティゲート、監視カメラ、24時間有人の警備体制に加え、生体認証(静脈認証)装置が導入されています。指静脈認証は、もっとも導入されている生体認証装置です。指の内部にある静脈パターンを読み込んで、個人を特定します。
さらに入口からサーバ室までには何重ものセキュリティチェックが行われ、入館者それぞれにセキュリティレベルの設定がされています。サーバ室の入口は、入室記録が確認されなければ退室できないアンチパスログ方式や、前室の扉が閉まるまで次の扉が開かないインターロック方式なども組み込まれています。
6.ネットワークの冗長性(回線断対策)
ネットワークの冗長性とは、スイッチやルーターを複数設置し、災害時に備えることです。一つのルートが遮断されても、ほかの回線で接続を維持できます。センター内の回線や外部アクセス回線を複数確保しておくことで、ネットワークの信頼性が向上します。
また通信ビルに直結し、ネットワークを直接引き込んでいるデータセンターは特に安全性が高いといえるでしょう。さらに通信会社が運営するデータセンターは、災害時のネットワーク切断のリスクを最小限に抑えられるため、災害時の安定性も向上します。
まとめ(設備選定の要点)
データセンターは、災害対策や電力供給、セキュリティ、ネットワーク冗長性など多様な設備で重要なデータを守ります。ただし必要な設備の優先度は、システムの重要度や停止許容時間、BCP方針、求めるセキュリティ水準によって変わります。
設備要件を整理したうえで、候補サービスのスペックを比較すると選定が進めやすくなります。 ITトレンドの資料請求サービスを活用し、自社に最適なデータセンターを見つけましょう。製品導入を後回しにするほど、見えないコストや手間は膨らみ続けます。今すぐ資料を読んで、業務改善を進めましょう。


