採用活動の「実行力」が問われる時代へ、という認識が企業の人事部門に広がりつつあります。求人媒体の多様化や候補者との接点の複雑化により、採用活動にはかつてない専門性と工数が求められるようになっています。しかし現場では、採用担当者のリソース不足やノウハウ不足が深刻化しており、「とりあえず媒体に掲載する」といった対症療法的な対応にとどまってしまっているケースも少なくないと見られます。
こうした課題に応える形で、株式会社Lavoは伴走型採用代行サービス「HR Lavo」を本格展開したことを発表しました。2023年7月の創業から2期目にして累計支援実績が100社を突破しており、短期間での急成長を遂げているサービスといえそうです。最短2営業日での人材アサインを可能とし、採用戦略の設計から日々の実務代行、さらには採用DXの推進までを一気通貫でカバーする体制が、同サービスの大きな特徴として打ち出されています。
選ばれる背景にある3つの設計思想
多くの企業にHR Lavoが選ばれている理由として、3つの要素が挙げられています。
ひとつ目は、実績を重視した採用人事プロのデータベースです。経歴や肩書きよりも、同じ規模・業界・成長フェーズの現場で実際に手を動かし成果を出してきたかどうかを審査基準としており、2026年1月時点で50名以上が登録されているとのことです。「戦略を語るだけでなく、現場を動かせる」人材をチームに加えるという考え方は、外部リソースを活用する際にしばしば課題となる「知識はあるが動いてくれない」という問題への意識的な応答と受け取れます。
ふたつ目は、中立的な立場での採用ツール・媒体選定の支援です。特定の媒体販売を前提とせず、企業の置かれた状況や課題に最もフィットする選択肢を提案する姿勢が、RPO(採用プロセスアウトソーシング)市場の中での差別化要素として機能しているようです。採用チャネルが急増している現在、媒体や手法の選定を誤ることがそのまま採用コストの無駄につながるリスクは高まっており、こうした中立的な支援へのニーズは今後も続くと考えられます。
みっつ目は、採用KPIの可視化による再現性の構築です。独自のKPIシートを活用して母集団形成・面接・クロージングといった各プロセスのボトルネックを数値で把握し、課題発見から打ち手の実施・検証までを高速で繰り返す仕組みを整えることで、担当者の経験や勘に頼った「感覚採用」から脱却し、誰が担当しても一定の成果が得られる体制への転換を図る考え方です。
採用DXの文脈で見るサービスの位置づけ
近年、採用領域でもATS(採用管理システム)の整備や生成AIを活用したスカウト文章の自動生成など、テクノロジーによる業務効率化が進んでいます。一方で、ツールを導入したものの運用が定着しなかったり、データを取得しても分析・活用に至らなかったりといった、実行力の欠如を課題として抱える企業は依然として多いと見られています。
HR Lavoのアプローチは、テクノロジーの活用と人的な実行力を組み合わせる点で、こうした課題への一つの実践的な回答として位置づけられそうです。採用DXの推進まで支援範囲に含めているとされる点も、単なる作業代行にとどまらないサービス設計を意識したものと受け取れます。
また、RPO市場全体を俯瞰すると、大企業向けだけでなく、採用ノウハウの蓄積が難しい中堅・中小企業や成長途上のスタートアップを対象とした採用支援へのニーズが高まっており、スピードと現場実行力を強みとするサービスが受け入れられやすい環境は整いつつあると見る向きもあります。
ツール選定と並行して「体制設計」を問い直す視点
採用支援サービスの導入を検討している企業にとって、HR Lavoのような伴走型サービスが投げかけるのは、「ツールを入れるだけで採用は変わるのか」という根本的な問いでもあります。外部リソースを効果的に活用しながら、自社の採用プロセスを可視化・標準化していくことは、将来的な内製化や組織としての採用力向上にもつながる視点です。
最短2営業日というアサインの速さは、急な採用ニーズへの対応だけでなく、既存の人事担当者の一時的な不在補填など、多様な活用シーンへの対応を視野に入れた設計とも捉えられます。どのような課題に対してどこまでをアウトソーシングするのか、その線引きを明確にしながら活用方針を検討することが、こうしたサービスを最大限に活かすうえで重要な視点となりそうです。
まとめ
HR Lavoの本格展開は、採用実務の外部委託という従来の枠組みを超え、採用体制そのものの再設計を支援するアプローチとして注目されます。データに基づく可視化と現場実行力の組み合わせによって感覚採用からの脱却を図るという方向性は、採用DX全体の潮流とも重なるものがあり、今後の広がりが注目されるところです。採用市場での競争がさらに激化するなか、実行力を伴う採用支援サービスへの関心がどのように変化していくか、引き続き動向を見守っていきたいと思います。

