TPiCS-Xの導入事例【インバースネット株式会社 様】
速くてシンプルな生産管理が奏功 労務費換算8割強のコストダウンを実現
- 業種
- 情報通信機械器具製造業
- 従業員規模
- 290人
- 事業内容
- ・自社製パーソナルコンピュータ開発、製造及び販売 ・中古機器の買取・販売 ・産業廃棄物の収集、運搬 ・マテリアル売買 ・リース会社等の業務委託サービス(リース満了物件処理等)
- 導入前の課題
- システムが重くて複雑。旧システムに見切り
- 導入後の結果
- TPiCSの導入以来、経費が5分の1以下に
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システムが重くて複雑。旧システムに見切り
寶田貴博氏
ヤマダ電機グループのインバースネット株式会社は、全国12か所で店舗展開する中古PCなどIT機器のリユース・リデュース・リサイクル事業と、オーダーメイドのBTO(受注生産)PCの組立販売の2つの事業を手がけている。今回事例として紹介する山口事業所は、後者の事業の生産・販売拠点である。同事業所でオーダーメイドPC事業を開始したのは1999年、生産管理の歴史もここから始まる。 初期は汎用データベースソフトのAccessを用いて作成した自社製ソフトや、市販の販売管理ソフトに生産管理機能を追加したソフトを使用。 そして2010年には、同事業所にとって初の本格的な生産管理パッケージ(以下、旧システム)を導入した。同社の業務はPCパーツ(モジュール)を組み立てるのみに限られているため、一般的な製造業に比べて工程がきわめてシンプル。大規模なものでも構成表は50点前後で収まる。 ところが旧システムは大規模で重いパッケージである上、MRPを回す際も様々な複雑な処理を施して、ようやく製造指示が出せるというものだった。1回あたりの所要時間は40分。顧客から直接受注し、短納期をウリとする同社にとっては使いづらかった。1台の端末がその時間を占有していると、出荷処理などが遅れてしまうという問題もあった。また旧システムには「社内発注」という手続きが発生し、ソフトウェア由来の複雑さもあった。 「当社の事業規模から考えると、こういう機能は足かせになるだけで意味をなさなかったのです」(寶田氏) そして、いよいよ旧システムに見切りをつける時が来たのである。
機能が自由に選択可能なTPiCSの柔軟性
旧システムに替えてTPiCSを導入することになった直接のきっかけは2016年、旧システムのOSサポートを更新しないと継続利用ができない状態になったことだ。旧システムは更新費用やバージョンアップ後の保守費用が非常に高額だったため、本社主導でTPiCSの導入を進めたのである。 寶田氏は旧システムの利用経験を経て、「システムが重すぎず、シンプルに使えること」が生産管理で重要であると感じていた。その思いがTPiCSとの出合いによって現実味を帯びてきたことを実感したのだ。同社は新しい機能や複雑な機能は追わず、シンプルに業務を回すことだけを考えたのだった。 「TPiCSが便利なのは『この機能は使う。この機能は使わない』と取捨選択できることであり、我々にとって好都合だったのです」(小林氏)
山口事業所所長 小林光二氏
TPiCSの導入以来、経費が5分の1以下に
インバースネット山口事業所はオーダーメイドPC「FRONTIER」の生産管理にTPiCSを導入、旧システム時代との比較で8割以上のコスト低減を実現した。機能を自由に選択できるTPiCSの柔軟性を活かし、短納期のモノづくりに必要な機能だけを残すシンプルな構成にしたのが特徴だ。「普通の製造業の生産管理システムとは異なるかもしれませんが、当社にとって理想に近いシステムになりました」と山口事業所所長の小林光二氏は話す。
同社は原価管理機能をはじめ、多くの製造業で当たり前のように使われているMRPによる部品や部材の購買機能さえもシステム対象から除外。同社の業務が月や週ごとに受注変動が激しく、機械での購買計画立案が困難なためである。そこで、システムの入れ替えを機にMRPは一切使わず、製番のみで行くことにした。製番であれば、回しても1回につきMRPの4分の1の10分で済み、待ち時間が少なくなることも考慮した判断だった。 マスター登録作業も、従来の複雑で時間を要する手続きを改め、簡素化。「以前はマスター約500件ほどでしたが、担当者は苦しそうに登録作業をしていました。ところが現在は1000件に増加したにも関わらず、残業は減少しました。それを見ても登録作業の簡素化効果は絶大だったと思います」と小林氏は語る。 また、小林氏や寶田氏をはじめ同社には、ITに精通した社員が多く、TPiCSの機能を短期間のうちに修得できたことも見逃せない。製番展開のタイミングで製品を特定するシリアルナンバーの採番を行うシステムをはじめ、TPiCSと連携するシステムも、何本かは社内で開発した。 「本社から『期内で本格稼働まで漕ぎつける』という指示を受けたときは、どうなることかと思いましたが、システム担当の寶田をはじめ、皆の頑張りもあって、期末からは余裕のある12月本稼働を達成することができました」(小林氏)。 同社は「TPiCSの導入以来、経費的には5分の1以下になっていることは間違いない」という。今後も受注即日出荷を目標に、さらなる改善に努める考えだ。
TPiCS-X
変化する市場に対応するために、個別生産や繰返生産に特化した最新の生産管理システムです。製品の多様化に対応し、工場のスムーズな生産を実現します。
株式会社 ティーピクス研究所
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